コミュニケーションスキルが求められる、やりがいのある職場
熊本市内の北区の(株)ウッドランドパスが経営する高齢者向け通所介護施設と居住型介護施設。2つの事業所で生活相談員と施設長を務める猪﨑さん。施設の目的は、利用者の生活の質を高めることと、主介護者(利用者家族)のケアを行うこと。
その中で生活相談員である猪﨑さんの役割は、利用者にどのような生活を提供するのかを、利用者と家族の状況を考慮しながら調整することです。
「例えば、(利用者に)『ティッシュが欲しい』と言われた時に手渡しするのか、場所を教えるだけなのかは、ご家族が(利用者に)再び自立した生活を求めているか、もしくは全てを手助けすることを望んでいらっしゃるかで変わります。
現場のスタッフが良かれと思って頑張ることが、ご家族にとってはマイナスになることもあります。間に立つ私が、そうしたニーズをしっかり把握していないと、スタッフが混乱してしまいます」
ちょっとした言葉やしぐさから”思い”を感じる
猪﨑さんが大切にするのはコミュニケーション。「利用者の送迎時など、ちょっとした会話の中で見え隠れする要望を察知し、先に提案していくスキルが必要。ご家族にとっては、なかなか言い出せないことが多々あります」。
意思の疎通は、現場スタッフとの間での重要です。特に「一人で悩まないことが大事」と強調します。必要に応じて何度もミーティングを行ったり、その日現場にいなかったスタッフでも情報共有できるようSNSでグループを作るなど、工夫を凝らしています。
「利用者に『楽しい』と言っていただけたり、重度の施設への入所を考えていた方が『まだまだいける』と前向きになる時が、一番やりがいを感じます」と猪﨑さん。
また、施設長という重責を担う上では「”率先してやること”と”なりたい”と思う気持ちが必要。何より利用者に寄り添って思いを感じ、そこから信頼関係を築いていくのが大切です」。