専門的な多彩な業務を行う医療業界を支える縁の下の力持ち
私たちも病院や薬局の受付で接する機会の多い医療事務員。診察や薬などにかかる費用を計算し、患者さんから自己負担分を徴収したり、残りの費用を国民保険や社会保険に請求する仕事です。
熊本市東区下絵津にある「美・ケイクリニック」に勤める荒兼さんは、この道6年目。専門学校卒業後、熊本市内の病院に勤め、約1年前から現在のクリニックに移りました。
高校では情報処理科に在籍。「身に付けたパソコンの知識が生かせる職種を」と考え、医療事務を学ぶ専門学校に進学しました。また、「事務処理以外にも様々な仕事がある」のも、医療事務を選んだ一因でした。
2年課程の専門学校では、医学の基礎や事務に関する知識、受付での接遇などに加え、保険の「算定要件」など、専門知識や病院での職場実習も経験。公益法人が実施している認定資格も取得し、卒業と同時に就職しました。
正確性と早さが求められ患者さんへ気づかいも大切
就職後は、先輩に付いて仕事を教わり、「半年ほどで仕事に慣れた」と入職当時を振り返ります。診察が終わった患者さんのカルテの情報を確認しながら診療費を計算する作業は、スピードと集中力が必要です。
「計算を間違えないのはもちろん、できる限り患者さんをお待たせしないように」するのも大切。万一の場合は、待ち時間を知らせるなど、細かな心づかいも求められます。
医療事務の仕事環境は、診療科の違いによって多い病気や患者さんの年齢・性別も大きく変わります。現在、勤めるクリニックは、美容に関する悩みで来院される方が多く、「以前とは違う診療科なので勉強になる」と荒兼さん。
そうした中で、「新しい知識が増えたり、通院される患者さんが元気になったり、キレイになっていく姿を見ると喜びを感じます」。
時には、顔見知りになった患者さんと世間話になることも。忙しいながらも楽しい職場で、荒兼さんは今日も笑顔で働きます。